京都アニメーションという「沼」
<京都アニメーションという「沼」!> ・それ自体がブランド化されている ・「らしいけど、ちょっとずつ違う」多様性 ・監督、スタッフが持つ個性 |
こんにちは。
今日はメインブログの記事の続きを書いていきます。
京都アニメーションが面白いところは、それ自体がブランド化された存在であるところです。それこそ「スタジオジブリ」のように、です。
例えば、京都アニメーションの作品群をフォローした場合、現在放送中の『小林さんちのメイドラゴンS』は「京都アニメーションの最新作」と認識することになります。それこそ多くの人が『竜とそばかすの姫』を「細田守監督最新作」と認識するように、ここでは制作会社に立脚して作品を観ることになるわけです。
さらに、「京アニ作品」をフォローする面白さは、同社が作ってきたアニメーション作品たちの「らしいけど、ちょっとずつ違う」絶妙な多様性にあると、私は考えます。
「らしいけど、ちょっとずつ違う」絶妙な多様性。
それはおおよそ、複数作品の映像を見れば感じ取ることができるでしょう。
以下に、私に馴染みのある作品をいくつかピックアップしてみます。
- 『日常』(石原立也監督)
- 『甘城ブリリアントパーク』(武本康弘監督)
- 『無彩限のファントムワールド』(石原立也監督)
- 『ヴァイオレットエヴァーガーデン』(石立太一監督)
- 『小林さんちのメイドラゴン』シリーズ(武本康弘監督、石原立也監督)
7本の動画を貼り付けてみました。「らしいけど、ちょっとずつ違う」京アニ作品の雰囲気を感じ取っていただけたのではないでしょうか。
全ての作品に共通する「ぽい」魅力だけでなく、作品ごとに工夫されたアプローチを見せてくれるところも、京アニ作品をフォロする醍醐味と言えるでしょう。
そして、先ほどの動画紹介では監督名も併記してみました。ここにも、京アニという「沼」の一端が潜んでいます。
例えば武本さんや石原さんは実績のあるベテラン、山田さんは『けいおん!』で一世を風靡した中堅、そして、2019年の映画で初監督を務めた、
新進気鋭の藤田春香さんなど*1、様々な層のスタッフが中核にいます。他にも、いわゆる若手では、小川太一さんも注目されていますね。
基本的に京アニ作品は、監督クラスだけでなく原画スタッフまで、同じようなメンバーで制作されています。なので、複数作品を観ていると自然とスタッフの名前を覚えていくことになります。それを積み重ねていくことで、「ああこの人はこんな演出が得意なんだな」とか、「こういう回はこの人に割り振られがちだよな」といった知識が増えていく。ここに、京アニ作品をフォローする楽しさが潜んでいるわけです。
このように、スタッフごとの作家性があり、それに裏打ちされた作品ごとの絶妙な多様性があり、そしてそれ故にブランド化された「京都アニメーション」という存在をフォローすることは、とても面白いと私は思います。少なくとも、私がアニメを観る時に、制作会社に注目して観るようになったのは、京アニという「沼」の一端に触れたからだと思います。
「京アニは一般受けはしないが、一般人をアニオタに変える力を持っている」。とあるアニメyoutuberの方が述べておられた言葉ですが、至言だと思いますね。
*1:一部のファンからは『響け!ユーフォニアム』第8話の絵コンテで有名な方ですね。